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聖地会議21

片渕須直(アニメーション監督)

片渕須直監督と聖地巡礼

 片渕須直監督の緻密な調査による映画作りを具に知ったのは、映画『マイマイ新子と千年の魔法』のトークイベントでした。制作に使用した航空写真や地形図などから昭和30年代の様子、そして1000年前の周防の国の様子を抽出し、アニメ制作へと繋げていく。驚いた私は「アニメ『BLACK LAGOON』など、今までの作品も同じように作られているのですか?」とイベント中に質問をしました。監督から「そうですね」と他の作品についても触れていただきました。

 そのすぐ後、山口県防府市で『マイマイ新子と千年の魔法』の舞台を巡る「マイマイ新子探検隊」があると知り参加します。監督、そして地域の皆さんと昭和30年の姿、1000年前の周防の国と呼ばれた姿を想像しながら歩くのは、とても楽しい体験でした。聖地巡礼における、これぞひとつの到達点。その思いは今も強く残っています。

 そして映画『この世界の片隅に』です。登場人物たちが話す広島の言葉に亡き祖母の姿が重なりました。すずさんとほぼ同い年です。当時、祖母は広島市の牛田と呼ばれる中島本町のすぐ北の地域にいました。そして、すずさんと同じように10代で結婚をし、九州の嫁ぎ先へと赴きました。祖母は原爆を免れましたが、家族は被害に遭っています。

 片渕監督との対談は「マイマイ新子探検隊」で垣間見た聖地巡礼の到達点の、さらにその先を感じるものとなりました。

 

柿崎俊道 聖地巡礼プロデューサー

・聖地巡礼に来て目の前にあるものを、そのまま見てもこの作品の場合は意味がない

・昭和20年7月2日の空襲で燃え盛っているド真ん中に自分はいる

・時間の積み重ねを探す巡り方がある

・映画の人々が確かにここにいた、と感じるロケ地マップ

・本当は自分がガイドをするといいだろうな、と思っている

発行日:2018年3月30日

【お読みになった方からご感想をいただきました!】​

花岡 隆太さん(長野県小諸市 菱野温泉 薬師館 取締役専務 兼 マネジャー)

今まで、聖地巡礼は次元を飛び越える旅だと考えていました。

片渕監督と柿崎さんの対談を読み終えて、時間も超越する旅なんだと実感しました。

小諸の懐古園もアニメ「あの夏で待ってる」の舞台の一つです。

確かに、そこには長い歴史があります。浅間山の噴火でできた大地の上に田切地形と呼ばれる断崖絶壁の上に、山本勘助が縄張りを作り、江戸時代に仙石秀久が小諸城を整備し、明治には島崎藤村が訪れて詩を書き、平成になってアニメの舞台になったのです。

各世代のコミュニケーションのハブとしてアニメは機能していくのではないでしょうか。

 

アニメの世界も拡張現実なんだなーと思います。

観光事業者としてはそこらへんの概念も考えつつ、小諸を楽しんで貰える場所にできたらと思います。

 

 

小田恭央さん(SSS合同会社 CEO)

こちら、読ませていただきました。

内容がギュッと圧縮されていました。
映画を見た人が読むと、急に理解が広がるような中味になっています。

この世界の片隅に、という映画を通じて表現したかったこと、映画を通して現在につなぐために組み込まれたもの、そういった深見をすることができます。

© 2019 Seichi_Kaigi

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